■鋳物がどうやって歴史を重ねてきたか簡単に調べて見ました。


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みなさん、知っていますか? 
鋳物の歴史って古いんです。
人が金属を発見し、叩いたり延ばしたりして装飾品や
武器を作り 、使用するようになったのは紀元前 数千年
前の昔です。ですから、鋳物には五千年の歴史がある
のです。 前千五百年 頃にはエジプト のパピルスに
足踏みふいごで風を送り、るつぼの中の銅を溶かして
り出す作業が描かれています
人と金属との出会いの最初は純粋な状態で地上近くで
発見された自然金で、是を集めたたきのばして腕輪
などの装飾品が作られました。
 
 
 
NO. 2
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それ以来鋳物は、エジプト⇒メソポタミア
⇒中国大陸⇒ 朝鮮半島、⇒日本に伝わりました。
日本の鋳物作りの始まりは出土した鋳型の年代

から推定して、弥生前期末ごろと推定されます。

そして 生活の道具から渡米人と共に仏教も
伝えられ、そのシンボルとして寺院の建築や
仏像仏具の製作のなかに 鋳造技術は生かされ
大きく発展しました。
どんなものかというと、奈良の大仏様や鎌倉の
大仏様、 梵鐘、 それから、和銅開称などの貨幣
(日本で はじめて流通しうる貨幣)も鋳造貨幣
として作られました。
 
 


NO. 3
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では、どのようにして鋳物の技術がひろまっていっ た
かと言うと、 たとえば川口市を例にとると、ここは
平将門の乱を平定するため、 下野の豪族が討伐に
赴いた際、軍に従った鋳物師が平定後も とどまった
か、源頼朝の鎌倉幕府が当時から来朝した鋳物師が
この地に鋳物場を起こしたともいわれています。
当時は14名ほどの鋳物師がいて江戸時代末期まで
は主に日用品 、幕末に 砲身、貨幣などの鋳造
幕府から命ぜられたとあり、荒川沿岸にあって鋳物
用砂の入手に適し、水路も便利なのでしだいに発展
し鋳 物の町川口の形態を整えてきました
その他、桑名、山形、佐野、新潟、などいろいろな
ところで発展して きました。
NO. 4
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鋳物の歴史がこんなに古かったなんて意外でした
ね。 鋳造の歴史をさぐって調べていくうちに、
鋳物の原点に帰るのもこれから先大切なことだと
痛感しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



■では、次に実際にどのような形態でつくられていたか、江戸時代の鋳造貨幣を例に紹介します。

江戸時代の鋳造貨幣の製造工程)
地金の配合 貨幣用の地金を配合する
 
地金の溶解 配合された地金を溶解する。
溶湯は砂床に流され、その後小塊にされ炭砂、滓と分離する。
 
地金の再溶解 小塊にされた地金は鋳型に鋳込むため小さなるつぼ炉で再溶解する。
 
鋳型の作成  
上下二面型枠の下型へ鋳物砂を盛り、踏み固め砂面を平にし(型踏み)、まず湯道棒を置きその両側に種銭を並べ上型を組み合わせ、再び砂を盛り踏み固め、その後上型を取りはずす。 湯道と鋳型の間に堰を切り、あぶり油煙を付着させ上下半面ずつの鋳型を合わせ丈夫な枠でしめつける。(型締め)
鋳込 組立終わった鋳型を垂直に立てて注湯する
 
型ばらし 鋳型を開いてまだ熱い銭を取り出す
 
選別 鋳放銭を切り取り一枚ずつ検査する
 
仕上げ 選別後、床焼き、研磨作業及び検査などの工程を経て出来上がる


仕上げ
鋳銭側面のろくろを用いた
仕上げ

今日の手込めの段階とほとんど似たプロセスですね。
現代の生産ラインにおける鋳造工程は造型作業の機械化と運搬のためのコンベアシステムを中心に多量生産方式をうまく活用しています。


江戸時代に入って徳川家康が、新貨幣鋳造に着手し、金座、銀座を設け 寛永通宝
などの鋳造が始められました。  貨幣は同じ形状、大きさ、 模様のも数多く作り広く
世間に流通させることが目的なので どうしたら同じかたちのものをたくさん作ることが
出来るか、 すなわち多 量生産方式にかなった鋳造方法の採用が必須の条件になりました。


現代の鋳物への流れ
長い間鎖国政策をとってきた日本は近代科学技術の導入が遅れてきましたが、日清、日露両
戦争 世界大戦と軍需の刺激を受け、国力の伸びとあいまって急速に生産量も上昇しました。 
その後 、 第二次世界大戦とともに工場の休止や閉鎖が始まり生産もほとんど停止してしまい
ました。


戦後の混乱から脱出した日本の産業界は、その後欧米の技術を大幅に導入して急速に
発展し技術面でも球状黒鉛鋳鉄の工業化をはじめとし、鋳物材質の改善、Vプロセスなどの
新しい数多くの鋳型製作法、低圧鋳造や真空鋳造など特殊鋳造法といった幾多の発明 
開発があり、さらに、省力化と管理技術、作業環境の改善のための設備の導入が行われた。


少し長いおはなしになりましたね。
鋳物が歴史を重ねてたくさんの人の手で生産、開発されたのは、私たちの日常生活の中で必要不可欠なものがあったからではないかなと思います。
(鋳物五千年の足跡より抜粋)

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